緑内障にSLTレーザー
新しいレーザーの機械が入りました。
一つは後発白内障の治療に使用します。
以前から当院ではYC-1100というNIDEK社のレーザー機器を使用していました。
そちらもまだまだ現役ですが、この新しいYC-200S plusというモデルはより切れ味が鋭く、狙った部分を正確に照射することができます。
それにより、後発白内障の治療時間が(もともと5分もかからない治療ではありますが)より早く、きれいに行えるようになりました。
更になんといっても、緑内障の治療用のSLTレーザーが可能になりました。
これまでは緑内障の治療はまず点眼、点眼で不十分なら手術、という2本立てが一般的でした。
しかし点眼には薬へのアレルギーや副作用、点眼の手間や忘れてしまう問題があります。
手術には恐怖感や合併症の問題があります。
SLTレーザーを早期に施行することで、点眼に劣らない成績が報告されております。
また点眼ではうまくいかない、手術は抵抗あるというような方にも選択肢になりえます。
具体的には繊維柱帯という眼の中の水分が流れていく出口にあるメッシュ状の組織にレーザーを照射することで水の流れを改善し、眼圧が下がる効果が期待できます。
眼にレンズを載せ、診察用の機械のような上図のような機器に顎をのせて頂いた状態で照射します。
痛みはなく、5分〜10分程度で終了します。
点眼薬1剤分程度の眼圧下降効果で、平均3年程度持続すること考えられています。
ただし効果には個人差があるようです。
緑内障の方の全員におすすめできるわけではないですが、有力な選択肢が一つ増えたと思います。