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硝子体手術

白内障手術は’’白内障’’という病気に対して行います。
緑内障手術は’’緑内障’’という病気に対して行います。
わかりやすいです。
硝子体手術は’’硝子体’’という病気があるわけではなく、硝子体腔という空間で操作する手術を総称して硝子体手術と言います。
病名としては、網膜前膜、糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑浮腫、網膜静脈分枝閉塞症など様々な病気が対象になります。
硝子体腔というのは、目の中の水晶体の後ろの大きな空間を占めます。
ここです。

硝子体はほとんど水ですが、繊維状でもあり、ところどころ網膜とくっついています。
硝子体手術ではこの硝子体を細い吸引する針のような機械(硝子体カッター)で吸い出して除去します。
ただし、単純に吸い出すと網膜を引っ張ってしまい網膜を引っ張ってしまい、網膜剥離(網膜が剥がれること)や網膜裂孔(網膜に穴があくこと)となってしまいます。
そのため硝子体手術では硝子体カッターという高速でカットしながら吸引する機械を用います。
硝子体を除去した後に、病気に応じた治療を行います。
例えば
網膜前膜ならば網膜に張った膜をつまんで取ります。
糖尿病網膜症ならば増殖膜を取ってレーザーをします。
網膜剥離ならば空気を入れて網膜を目の壁に貼り付けて穴の周りをレーザーで凝固します。
黄斑円孔ならば膜を取って空気をいれます。

膜をつまんで取るというと非常に簡単に思えますが、実際は数ミクロン、1mmの200分の1くらいの厚さの膜を取る作業なので非常に繊細な作業です。尚且つその下は網膜神経線維層という非常に大切な層なので傷つけないようにとらないといけません。
良い顕微鏡で、適切な照明で、しっかり拡大してくっきり見える状態で行います。
硝子体手術はその他の作業も注意すべき点があり、眼科の手術の中でもある程度経験を要する手術とされています。

また一般的な白内障の手術でも、まれですが水晶体とその周辺の組織が弱い難症例の方がおられます。
その場合は手術の最中や術後に水晶体の横から硝子体が前の方に出てきてしまうことがあります。
原因は生まれつきや外傷や病気など様々です。
硝子体を適切に処理しないと眼内レンズがずれたり、炎症を起こしたりする原因になるため、硝子体手術が必要になる場合があります。

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