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オルソってなんだ?

[2023.09.09]

皆様、オルソケラトロジー、略してオルソというものをご存知でしょうか?
普段コンタクトレンズをしている方はもしかすると聞いたことがある方もおられるかもしれません。
オルソとはコンタクトレンズの一種です。
オルソK、とも言います。

普通のコンタクトレンズは、朝つけて、つけている間はよく見えます。
夜外すと元の状態に戻る、というものです。
人によってはスポーツする時だけつける、という使い方をする人もいます。

オルソはまったく違います。
夜寝る前につけて、寝ている間はつけっぱなしで、朝外す。
そんな使い方をするレンズです。
普通に考えると、朝外して見えなくなったら、何がしたいかわからん!
夜コンタクトつけたまま寝ちゃダメ!って常識でしょ!
そんな声が聞こえてきそうです。


ところが、これ、普通のコンタクトレンズとまったく違う仕組みなのです。
寝ている間にコンタクトレンズによって、目に型をつけて朝外すと裸眼で一日中見える、という特殊なテクノロジーなのです。
1日では型がしっかりつかないのですが1−2週間寝ている間コンタクトするようにすると、朝外してもしっかり見えるようになるのです。
もちろん型がついているだけなので、夜コンタクトをつける習慣が途絶えると、数日すると元の自分の型に戻ってしまいます。
レーシックなどの手術のように永続性はない、という点がデメリットであり、やめれば元通り、というのが安心感という意味ではメリットでもあります。

日中は裸眼で過ごせるため、スポーツをされる方や、日中どうしてもメガネやコンタクトがしたくない理由がある方には良い選択肢と言われてきました。

しかしこのオルソ、20年くらい前からありましたが、そこまで一般的に広まるというほどではありませんでした。
理由として
①寝ている間につけると違和感で眠りにくくないか?
②どうせ一日一回つけ外しするなら朝つけても夜つけても一緒ではないか?
それならケアがかんたんな使い捨てコンタクトの方が良いのではないか?
③つけたまま眠って、目に悪くないか?

これらの懸念点が私も気になっていて、あえて患者さんにオススメすることはありませんでした。

ところで最近のコロナ禍、デジタルデバイス使用の低年齢化の影響もあり、こどもの近視が大きな問題になってきております。
近視が進行しすぎると大人になってから緑内障や網膜剥離など目の重大な病気のリスクが増加することがわかっています。
こどもの近視進行を予防することが重要な社会的な課題であり、近年研究が盛んになっております。
そこで脚光を浴びたのがこのオルソでした。
子供にオルソを行うことで近視の進行を予防する効果があるという報告が相次いでおり、低濃度マイオピンと併用するとより効果的である、など、研究が進んできました。
具体的には親がオルソのコンタクトレンズのケア、つけ外しを行い、子どもは日中裸眼で過ごす、という方法です。
現状では近視のこどもに眼鏡処方し、その後近視が進行し、また度数をアップした眼鏡処方をする、ということを繰り返すことが多いです。
それならオルソで近視進行抑制も兼ねて屈折矯正をする方が良い、かもしれません。
この近視抑制効果は通常のコンタクトレンズではダメで、オルソか、いわゆる老眼用の焦点深度拡張型のコンタクトレンズが選択肢になります。
老眼用コンタクトレンズは大人には良いですが、子供にはつけている時の見え方がもう一つ、ということとソフトコンタクトレンズなのでレンズが大きく少し装用しにくさがありました。

オルソ、良いかも。

しかしもちろん課題もあります。
①寝ている間につけると違和感で眠りにくくないか?
②どうせ一日一回つけ外しするなら朝つけても夜つけても一緒ではないか?
それならケアがかんたんな使い捨てコンタクトの方が良いのではないか?
③つけたまま眠って、目に悪くないか?

①に関しては、こどもはそこまで問題にならないことが多いようです。
もちろん個人差はありそうです。

②に関しては、確かにケアの手間はそれなりにあります。
夜は手を洗って、こすり洗いして、すすいで、つけてあげる。
朝はスポイトを使って、外してあげる。
ケアの手間はこどもの歯磨きの仕上げ磨きをしてあげているような感覚です。
自分のことだと単に手間だなあと感じますが、こどもにやる分にはそこまで苦にならない、かもしれません。

親子のコミュニケーションとしては、良いかもしれません。

③に関しては、通常のハードコンタクトレンズと同様に注意は必要です。
頻度は低いものの、充血や痛みなど症状がある場合は眼科受診が必要です。

オルソに関する実際の使用感や効果、結果に関しては興味のある方は直接お尋ねください。

更にくわしくはこちら。

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