メニュー

こどもの近視抑制、第3の矢ーレッドライト EyeRising

[2024.04.10]

 

 

 

 

子供の近視が進まないように、という近視抑制の治療、治療というか予防がここ数年、盛んに行われるようになりました。

大体5歳から15歳くらいまで、成長期に眼球も大きくなる、それにより近視が進むと言われています。
これまで、遺伝的要因(親が近視なら子も近視になりやすい)と環境要因(外で過ごす時間が長いと近視が進みにくい)などがエビデンスとしてありました。
近いものを見続けると近視になる、とか、暗い所でものを見ると近視が進みやすいかは、はっきりしていません。
勉強は良いけど、ゲームの時だけ近視が進むからやめなさい、と言われてしまうのはエビデンス的にははっきりしません。
これまで、メガネをすると近視が進む、というのは迷信で、眼球の成長期にメガネを作り変える必要性がどんどん出てくるため、メガネが原因ではない、というのが眼科の通説でした。
わたしもずっとそう説明してきました。
ところが最近では、眼鏡による遠視性デフォーカス、(眼球の中心以外の網膜の部分に映る像が眼球の後方に結像する)の影響で、メガネをかけるとより近視が進行する、というのが言われることが多くなってきました。
迷信、じゃなかったの?

ある程度の近視は中年以降に老眼を感じにくい、眼精疲労を感じにくい、などメリットもあります。
近視が進行したとしても、眼鏡やコンタクトレンズで矯正できるならば、良いです。
しかし、一定以上の近視になると、中年以降に緑内障や黄斑変性、網膜裂孔など、メガネ等で矯正できない視力低下を来すリスクになります。
それらのリスクを減らすには、学童期、成長期に眼球を大きくしすぎないことで近視進行を抑えることが大事、ということです。
しかし、そのための有効な手立てはなかなかありませんでした。
遺伝性の要因は仕方ないですし、唯一野外活動が1日2時間以上していると進行抑制効果がある、というデータがありましたが、なかなか難しかった。
コロナもありましたし、夏は熱中症、冬は寒いなど、現実的に日本の子どもにそれができるのか、ということもありました。

実際に予防として考えられている方法は3つあります。

1つ目の方法が、低濃度アトロピン、アトロピンです。
夜一回点眼するだけで良いこの方法は手軽で、ある程度国内でも広まっています。
現在輸入に頼っていますが国内の主要製薬メーカーからの販売ももうすぐ始まるようです。

2つ目の方法はコンタクトレンズ(オルソケラトロジー、低加入多焦点ソフトコンタクトレンズ)です。
オルソケラトロジーは夜付けて、朝外すことで角膜に型をつけて、日中裸眼で見える、という方法です。
これの良いところは日中裸眼で見える、ということです。
難点はケアの手間と、角膜が適合するか、ということです。
コストもある程度かかります。
低加入多焦点コンタクトレンズは手軽である反面、見え方が少し劣るのと、レンズがやや大きく、つけにくいという点が難点です。

この2つの治療は当院でも既に導入し、行っておりました。

最後の3つ目はレッドライト治療です。
オーストラリアのEyerising社の専用の機械を用いて、1日2回、1回3分赤い光を見続ける、という治療です。
これはわたしも体験してみましたが、その後1分くらい赤い残像で眼の前が見えなくなり、その後通常に戻りました。

 

この治療は近視抑制効果が前の2つ(アトロピンとコンタクトレンズ)に比べてはるかに強いと報告されています。
安全性は高いようですが、網膜の病気がないこと、ちゃんと続けることなどが前提になり、事前に精密な検査が必要です。
機器は随時当院が輸入し、御本人に貸与するという形でお持ち帰り頂きます。
別途メーカーとも個人契約をしていただき、Wifi経由で使用状況が確認でき、過剰な使用ができないような仕組みにもなっております。

レッドライト治療の詳細はこちらをお読み下さい。

ご関心がある場合はお問い合わせ下さい。

なお、これらの治療はすべて予防治療であり、自由診療となります。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME