白内障
白内障は、目の中にある水晶体(レンズの役割をしています)がにごる病気です。
視力が低下して物がかすんだり、ぼやけて見えたりするようにします。
主な原因は、なんといっても加齢です。
加齢以外には、先天性(うまれつき)、紫外線、糖尿病、ステロイドの使用などもあります。
白内障の自覚症状
- かすんで見える
- まぶしくみえる(特に夜間の車のライトなど)
- ものが二重に見える
- めがねがすぐ合わなくなる
- 疲れやすい
- 色が鮮やかに見えない
白内障の治療
各種検査によって、白内障の有無、程度を診断いたします。
初期の場合は進行を穏やかにする作用が期待されている点眼を使用することもあります。
手術が必要な場合は、術前検査を行い、日程をご相談します。
いつやるか?については患者さんのご希望になるべく応じます。
通常は緊急性のある手術ではありませんので、全身疾患の治療や旅行など大事な予定が控えている場合は、落ち着いた時期に手術を受けることをお勧めします。
運転免許更新期限が迫っているなどの事情がある場合はなるべく早めに手術が受けられるよう考慮しますのでご相談下さい。
日帰りで手術を行います。火曜日及び木曜日に手術を行い、翌日の午前中に診察に来て頂きます。
片眼ずつ行うか、両眼一日で行うか、患者さんのご希望や目の状態に応じて検討します。
点眼麻酔で2mm程度の切開創から混濁した水晶体を除去し、眼内レンズを挿入します。
痛みはほとんどありませんが、もし痛みを感じる場合は麻酔を追加します。
恐怖感が強い方は低濃度笑気麻酔という穏やかな麻酔を使用します。
ほとんどの方は日帰りでの外来手術が可能です。
遠方にお住まいの方、お泊りが必要な方は一泊入院をご案内します。
連携先病院へのご紹介も可能です。
治療の詳細は日本白内障屈折矯正手術学会のホームページを参照下さい。
眼科医向けであり、すこし難しいかもしれません。
使用する眼内レンズには種類があり、患者様のニーズ、目の状態をもとに術前に話し合って選択します。
眼内レンズの種類
単焦点眼内レンズ
長い実績のあるコントラストの最も良好なレンズです。
レンズの度数により、最もピントの合う位置を選ぶことができます。
- 手術前の状態が、遠くが見やすい正視や遠視の方
術後も裸眼で遠くが見やすい度数のレンズを選択します。
術後は普段は裸眼で過ごし、本を読む時などは老眼鏡を使用することになります。
- 手術前の状態が、近視の強い方
裸眼で近くが見やすい度数のレンズを選択する場合もあります。
その場合は普段近く以外を見るときは眼鏡を使用します。
コンタクトレンズをずっと使用している方は裸眼で遠くを見やすいレンズを選択しても良いです。
患者さんのライフスタイルやご希望をもとに術前によく相談して決定します。
トーリック眼内レンズ
乱視矯正効果のある眼内レンズです。
少し難しい話になりますが、乱視には角膜による乱視と水晶体による乱視があります。
水晶体による乱視は通常の白内障手術でなくなります。
すると術後は角膜による乱視だけが残ります。
術前に角膜による乱視を計測し、角膜による乱視が大きいようであれば、乱視矯正用の眼内レンズ(トーリック眼内レンズ)を使用し、角膜の乱視を打ち消すように角度を決めて固定します。
完全に乱視がゼロになるわけではありませんが、乱視が少なくなる効果が期待できます。
実際には、この他に打ち消すことができない乱視(不正乱視)などもあり、やや複雑で専門的な内容になります。
術前に皆様に行う術前検査の内容を元に、トーリック眼内レンズが必要な場合は医師よりご提案します。
通常の保険診療で使用可能です。
2焦点眼内レンズ
遠くから中間距離までピントの合うレンズです。保険診療で使用できるレンズもあります。
3焦点以上の眼内レンズ(多焦点眼内レンズ)
遠く、中間、近くとピントの合うレンズです。
選定療養といって保険診療での手術費と別途料金が必要です。
術後に老眼鏡を使いたくない方には検討いたします。
ただし、目に白内障以外の他の病気がある方や、夜間の運転をされる方など、不向きな場合もあります。
それぞれのレンズにメリットとデメリットがあります。
また、患者さんそれぞれの眼の状態は異なります。
ご希望をお尋ねした上で、個々の患者さんに合った眼内レンズをご提案し、話し合って決定します。
院長ブログにも白内障や眼内レンズに関しての内容を記載しました。
ジョンソン&ジョンソン社の白内障のぎもん、というページをご紹介します。
下記動画はこちらからの引用です。その他にも参考になる情報が掲載されています。
よろしければ御覧ください。
https://www.beyondcataracts.jp