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中国四国レチナミーティング

[2023.02.20]

 

2023/02/18中国四国レチナミーティングという会に参加し、自身が経験した症例に関して発表してきました。

レチナ、というのは網膜(retina)の意味で中国四国地方の眼科の中でも網膜の専門家を対象にしたコアな小さな学会みたいなものです。

私は今回初めてこの会に参加しました。

参加といっても、Web開催なのでパソコンの画面でビデオ会議のような形で参加しました。

他の演者の先生からは加齢黄斑変性という病気で、ある所見が診られたら、それは治療の予後に関係するのか?という臨床上の疑問に答えるような内容の発表や、網膜前膜という病気である検査をした場合にどのような意義があるのか、というような内容の発表があり、ふむふむ、と思いながら聴いておりました。

また今回のコロナ騒動により、緊急で目の手術を受けないといけなくなった患者さんがコロナ陽性、もしくは濃厚接触者だった場合、とても患者さん本人も医療従事者も苦労する、というような話もあり、考えさせられました。

 

さて、

私は、様々な原因で網膜の中心部、黄斑部に水が貯まる、黄斑浮腫という病気に関して発表しました。

黄斑浮腫が起きると視野の中心が歪んで見えたり、視力が低下します。

現在、多くの場合、まず行うべきとされる第一選択の治療は、目に注射を打つ治療です。(硝子体注射)

当院でも行っておりますが、効果的であることが多いです。

しかし、注射薬の効果は数ヶ月するとなくなり再発する場合や、そもそもあまり効かない方も時々おられます。

その場合、レーザー治療や、手術などを検討します。

今回発表したのは、黄斑浮腫の蓋を手術により取って開放して、水が溜まっている部分を改善させようという嚢胞切開術という治療法です。

神戸大学の今井先生が2018年と2020年に報告し、網膜業界では全国的に大きな話題になった術式です。

私自身2019年ころからこの術式に取り組んでおり、長期的に見ても、再発なく視力も良好な成績であったため今回発表しました。

この方法は画期的ですが、やってみると手術そのものは技術的にそこまで難しいという訳ではありません。コロンブスの卵というか。

ただ大病院では手続き的に難しい側面があり、そこまで広まっておりません。

全国的にもまだまだ一握りの施設でほそぼそと行っている感じかと思います。

自分がこの治療を行った患者さん(それほど多くはありませんが)はこれまで何回も何回も硝子体注射をしなくてはならなかったのが、しなくて良くなったということで、とても喜ばれました。

もう少し広まって、硝子体注射から開放される患者さんが増えると良いなという思いもあり、今回発表しました。

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