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単焦点か、多焦点か、それが問題だ?

[2022.04.14]

今、本当に、いろいろな種類の眼内レンズがあります。

患者さんも迷いますし、私もちょっと迷うこともあります。

迷いながら書いていると、つい長くなってしまいました。

1.単焦点レンズ

まず、単焦点眼内レンズ。

世界中で一番たくさん使われている、歴史も実績もある、安心安全の眼内レンズ。

これも実は年々進化しており、術後長期に劣化しにくい、コントラストが良いとか、人間の概日リズムを乱しにくい、とか、各メーカーが工夫し開発しています。

構造がシンプルでデメリットが少ない、というのが魅力です。

 

すべてのレンズの基本になるピントの合う距離の感覚を理解する必要があります。

 

遠くが見やすいようにすると、近くはぼやけるので老眼鏡が必要。

近くが見やすいようにすると、遠くはぼやけるので眼鏡が必要。

中間くらいにすると、家の中のことはだいたい見えるけど、遠くも近くも少しぼけるので、老眼鏡と眼鏡、両方必要かも。

 

ちなみにこの場合の近く、というのはだいたい手を軽く曲げて届く範囲です。

読書、スマホくらいの距離です。

 

中間、というと椅子に座ってダイニングテーブルの上くらいの範囲です。デスクトップパソコンとか、近めに置いたテレビくらいの距離です。

 

遠く、というのはテレビや壁の時計、家の外の景色などの距離感です。

 

遠くに合わせると遠くだけが見えるのではなくて、遠くから中間くらいまでは実用的にはだいたい見えると思います。

近くに合わせると近くから中間くらいまではだいたいは見えます。

近くに合わせる方はほとんど元々近視が強い方なので、前よりは遠くも見える、と言われます。

 

しかし、例外もあります。

  • 乱視

乱視があると、遠くに合わせても眼鏡があったほうがくっきりします。

眼鏡が必要かどうかはライフスタイルによります。

多少の乱視は、逆にピントが合う範囲が広がる効果があるため便利な場合もあります。

  • 偽調節

遠くに合わせて手術して、そのとおりになっているけど老眼鏡なくても見えますよ、という人もおられます。細かいメカニズムはよくわからないところもありますが、実際にそうおっしゃる方はおられます。

 

2.多焦点眼内レンズ

単焦点眼内レンズに対して、遠く、中間、近くにピントの合う3焦点のレンズが多焦点眼内レンズの主流となってきています。

このレンズを用いると、術後は遠くも近くも眼鏡なしでほとんど見えるようになります。

ほとんど、というのは、もっと近くを見たい場合は老眼鏡をたまに使うという方もおられるからです。

術後眼鏡をなるべく使いたくない方には良い選択肢です。

 

デメリットとして、レンズの構造が少し複雑になるため、合わない方がおられるということです。

角膜に眼鏡などで矯正できない不正な乱視がある、瞳孔が小さい、白内障以外の網膜の病気や緑内障などの目の病気がある、強いドライアイ、などがその例です。

そのような方には単焦点レンズよりも術後に不快な症状を感じる可能性があります。

暗いところで車のライトなどをみると、光の輪や筋が見えるため、夜運転をよくされる方

もやや不向きです。

また、選定療養という制度で、白内障手術は保険診療ですが、眼内レンズ代が別でかかるため、経済的な負担が大きいです。

 

3.保険診療の多焦点的なレンズ

更に、保険診療で普通に使える多焦点気味なレンズがいくつかあります。

これらは単焦点レンズと多焦点眼内レンズの中間的な位置づけです。

遠くに合わせた場合、多焦点よりは近くが弱いですが、多焦点特有のデメリットは少なく、費用面でも保険診療のみの料金で済むという点もオススメできる点です。

老眼鏡は使っても良いけどなるべく使う頻度を減らしたい、という方に良い選択になります。

 

 

まとめ

だらだらと大変長くなってしまいました。

実際は他にもたくさん検討しなければならないことがあります。

単焦点か多焦点か、それが問題だ、とは書きましたが、実際にはどちらのレンズもとても良いレンズです。

白内障の濁りがとれて、クリアになることには変わりはありません。

先ほど書いたような長いことをすべて理解するのはかんたんではないと思います。

迷ったら、おまかせで!というのでも良いです。

手術の前に眼を十分に調べて、ご希望やライフスタイルをお聞きして、これがオススメ、というものをご提案します。

 

 

 

 

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