趣味の話①草むしり
かつてある先輩が、趣味は草むしり、と話しており、訝しく思ったことがありました。
草むしりは雑多な、面倒な家事の一つで、趣味にはなり得ないだろうと思ったわけです。
その先輩はいわゆるできる人、という感じの人だったので、謙遜や自虐的な意味で言っているのかなと、その時は思っていました。
しかしこの春、私もついにデビューしました。
休みの日の朝、たまには優雅に庭でコーヒーを飲んでみようと思い立ち、キャンプ用の椅子に座ってコーヒーを飲んでいました。
すると足元の雑草が気になり、ちょっと抜いてみたのです。
するとごっそりと根っこから抜けました。
ほう、と思い、隣、また隣と草を抜いていくと、ほんの50cm四方だけ、草が無くなってきれいになりました。
なんだか面白いな、と思って更に続けていると、家人からも、あら珍しく役に立っている、と称賛され、更に気を良くして手当たりしだいに抜き漁っていきました。
雑草の種類によって抜きやすいもの、手強いものなどあり、太い地下茎で繋がっているものなどは大物感があり、つい夢中になってしまいました。
ちょっと戦略的に芝生っぽく横に伸びる草だけを残して抜いてみたら、うまいこと芝生のようにならんかな、とか思っています。
園芸的知識がまったくないのでわかりませんが。
外で遊ぶ趣味も良いですが、休日にあまり1人で遊んでばかりいると、あまり家庭人としてはよろしくありません。
これならなんとなく家にちゃんといる感じもあり、なおかつ少し家庭内の喧騒からも適度に離れ1人で没頭でき、すぽっと抜けるとストレス解消にもなります。
これはなかなか、良い趣味になる気がします。
今では道を歩いていても、道端の雑草を見ては、抜きたい衝動にかられてしまいます。
これまで手術のあと、草むしりはいつになったらできますか?と聞かれることがよくありました。
そんなにすぐに草むしりなんぞせねばなりませんか?と思っていました。
今ならわかります。
ちょっとインターネットで調べたところ、春は草むしりの絶好のシーズンなのですね。
今抜かないと夏には根がしっかり張って往生すると。
わかりますけど、術後は十分に気をつけましょう。
私も先日、根っこごと抜こうとぐっと力を入れて抜けた、と思った瞬間、反動で土が飛んできて目に思いっきり入ってしまいました。
保護眼鏡はやっぱり必要ですね。
皆様も、目を大切に趣味を愉しみましょう。