アルゴス、ベリオン導入ー白内障手術のデジタル化へ
白内障手術では眼内レンズを目の中に入れるのですが、どのレンズを、どの角度に入れるか、どの位置に手術の創を作るかによって、術後の度数や乱視の具合が微妙に変わってきます。
正確に術前の検査を行うことで予定通りの状態により近づけることができます。
今回導入したアルゴスはOCTの原理を用いて、眼軸(眼球の長さ)をより正確に測り、白内障手術のプランを検討する機械です。
これまでの機械は眼球全体を一度に計測し、全体の屈折力を平均するような機構で全体の屈折力を想定しておりましたが、これも精度は十分高いものでした。
今回のアルゴスは角膜は何ミリ、水晶体何ミリ、硝子体腔何ミリというようにセグメントごとに計測し、それぞれの屈折力を掛け合わせて想定する、理論上もより正確に測定できる機械と考えられます。
もう一つの機械、ベリオンはアルゴスで計画したプランを手術室の顕微鏡の術者の見る画像に写し込む機械です。
人間の目は起きて検査している時と、仰向けで手術を受けているときでは目の向きが回旋方向に変わります。
これまではこの回旋の向き合わせのために座った状態で患者さんの目に印をつけていました。
ベリオンのマークに従って手術を行うことで、患者さんの負担が少なくなりますし、より精度の高い手術になることが期待されます。
ベリオンでは外来で撮った画像の白目の血管などから個人を認証します。
その上でデータを確認し、手術のプランを映し出してくれます。
創口の角度、乱視矯正用の眼内レンズを入れる向きなど、これまで目分でやらざる得なかったところが正確にできるようになりました。
アナログからデジタルへ、白内障手術の新時代、という感じがします。